iPhoneのバッテリーを交換したら効果があるのか?
最近、バッテリー交換の作業時間を延長し、検証作業に力を入れていますが、その一部を公開します。
まずは、交換前にバッテリー診断をします。
充電サイクルカウントが1563回。
もともと1550mAhあった容量が1200mAhに減少しています。
なので、約23%劣化していると言えます。
ちなみに20%以上劣化している場合は交換をお勧めしています。
理由は、20%ぐらいだとまだ「電池が持たない」という感覚はあまりないかもしれませんが、
これ以上劣化が進むとバッテリーが膨張する可能性があるためです。
絶対に膨張するという訳ではありませんが、もし膨張してしまったら液晶の破損など別の故障につながるため、膨張する前に早めに交換することをお勧めしています。
基本的には充電回数が増えるに従って劣化が進んでいくのですが、それよりも充電の環境による影響の方が大きいと感じます。
環境とは具体的には温度や電圧です。高温で満充電を維持すると早く劣化することにつながりますし、規定以上の電圧で充電するとあっという間にダメになります。
それによって、200回ぐらいの充電サイクルでもダメになる場合もありますし、1500回充電してもそこまで劣化していないということもあります。
次に、今のバッテリーでどの程度減りが早いのかを計測します。
画面を一番明るい状態に固定し、自動ロックをしない設定にします。
画面を一番明るい状態で固定するとかなり電池を消耗するので計測しやすくなります。
それから全てのアプリを終了させ、ストップウォッチだけ起動します。
この状態で、1%減るのにどのくらい時間がかかるかを計測します。
最初の1%は中途半端な1%なので除外し、その後数%分減らして平均を出します。
今回は平均2分28秒でした。
そして、交換予定のバッテリーを仮付けし、同様に計測します。
新しいバッテリーでは平均3分10秒でした。
バッテリー容量が約1.3倍になり、時間も約1.3倍になりましたので
交換した効果が出ていると言えます。
効果が確認できたら仮付けしたものを正式に取り付けて、動作確認をしてお渡しします。
動作確認した結果はこのように保証書に記載致します。
ちなみに、チェック項目は全部で15項目あります。
このように、バッテリー交換の効果が出ているかしっかり検証し、数値で見えるようにしてお渡しするようにしています。
それでは、直近でバッテリー交換したもののデータを一部公開します。
Aさん iPhone5c
交換前
80%劣化 1%あたり40秒
交換後
0%劣化 1%あたり3分23秒
Bさん iPhone6
交換前
20%劣化 1%あたり2分15秒
交換後
0%劣化 1%あたり3分0秒
Cさん iPhone5
交換前
60%劣化 1%あたり1分5秒
交換後
0%劣化 1%あたり2分54秒
Dさん iPhone5
交換前
電源がつかないため測定不可
交換後
0%劣化 1%あたり2分21秒
このような感じで、交換前と比較して交換後は1%減るのにかかる時間が伸びています。
以前も書いたように、世の中には質の良くないバッテリーが出回っています。
PSEマークがあるとかないとか、純正品だとかそうじゃないとか色んなパーツ業者や修理屋があれこれ言っていますが、それはあまり参考にならないと思います。
実際に使ってみて持つか持たないかでしか無いからです。
そして、実際に持たないバッテリーが出回っているのは事実です。
なので、自分で交換するにしてもどこかの修理屋に依頼するにしても、
そういった悪い電池をつけてしまうと効果が出ません。
また、設定やバグなどでバッテリーを大量に消費している場合は、多少効果が出るにしても完全ではないし、また新しいバッテリーも劣化が早く進むということも考えられます。
上記のDさんのケース、交換後2分21秒は新品バッテリーにしては減りが早いです。
このバッテリーは入荷検品時にはお店のiPhoneで測定し3分9秒という結果が出ています。
明らかにiPhone自体がバッテリーを大量に消費しています。
この先の原因を突き止めるのは難しいですが、こういうお客様には設定リセットや不要アプリの削除、それでもだめなら初期化をお勧めしています。
「1年使っているから、2年使っているからそろそろ変え時ですね」みたいなことでは
劣化していないのにバッテリーを交換してしまう可能性もあります。
これも効果が出ません。
この場合は、使い方を変えるかモバイルバッテリーを買うことをお勧めします。
ということで、バッテリー交換の効果が目に見える形で数値でお客様にお伝えできます。
バッテリーのもちが気になると言う方は、是非ご来店ください。
以上です。
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