iPhoneの修理とは?

まさか自分のiPhoneが壊れるなんて思っていないですよね。

急に壊れてその時初めて修理するということを考えると思いますが、そういう人のための予備知識です。ちょっと長いです。

iPhoneの修理とは?

まず、iPhoneの修理にはどういう種類があるのか簡単に説明します。

  1. AppleもしくはApple認定の修理店での正規修理
  2. Appleが認定していない修理店での非正規修理

当店での修理は2の非正規修理に該当します。


何故、非正規修理店が世の中に存在するのかという理由は簡単には次の通りです。

  1. 正規修理を行える修理店が少ない
  2. 正規店は予約が取りづらいなどですぐに対応してもらえないことが多い
  3. 本体交換対応となるため修理金額が高い
  4. 本体交換対応なのでデータが消える

それらが特に問題ないという場合は正規店で対応してもらうのがベストだと思いますが、すぐに対応してもらえないとか、データが消えるという部分はかなり重要な問題ですよね。

 

そういう状況を解決できる存在として非正規修理店が存在します。


非正規修理のメリット/デメリット

非正規修理店の特徴は、修理代金を安くするために故障個所のみ部品交換を行うことです。

画面が割れていれば画面だけを交換し、バッテリーがダメになればバッテリーだけを交換します。


メリットは先ほど書いた4項目が解決できることです。

店舗が近くにあって予約なしでもOKもしくは予約がすぐとれて対応してもらいやすい、

部品交換だけなので修理代金が安い、データが消えない(これは100%ではないですが)


デメリットは非正規修理店で修理すると、その後正規修理店では対応してもらえなくなる可能性があることです。Appleは非正規修理店での修理や自分で分解することを認めていないからです。

だったら自分たちでさっきの4項目解決すればいいのにと思いますが…ね。

 

交換する部品は?

非正規修理店では故障した部品のみ交換するのですが、その交換する部品はいったいどういうものなのか。非常に重要な問題です。

 

まず、そもそも非正規修理店はAppleから認定されていないのでAppleから仕入れることはできません。

本当の意味での純正品というものは入手不可能です。

 

では、どこから部品を手に入れているのか?主なものは次の通りです。

  1. 主に中国で作られた社外品
  2. 買い取ったiPhoneから取り外した中古部品
  3. 壊れた部品を直した再生品

当店で使用している部品は現時点では1の社外品と2の中古品です。

 

もともとiPhone自体も中国で作られているので中国製の部品ということはあまり問題ではありませんが、同じ部品でも作っているところによって価格や品質がピンキリです。

基本的には金額に比例して品質も上がるので当店ではあまり安いものは使っていません。

ただ、それでもたまにとんでもないものが混ざって送られてくることもあります。


例えば、画面の部品で表面に傷がついているとか、色が微妙に違うとか、バッテリーで充電回数が200回とか(中古品なのに新品として送られてくるということ)。

まあ、そういうことなので厳しく検品チェックして少しでもおかしいことがあれば全部返品しています。

一度、仕入れたバッテリーが全部中古品だったので全部返品してかわりのものが入るまで在庫がなくなってお客様にご迷惑をおかけしたことがあります…

あと、「純正品を作っている工場で作った同じものを横流ししたものだから純正品と同じ」という言葉も聞きますが、そんなものが長期間にわたって一定数確保できるとかちょっと信じられません。


次に、中古品は中古ではありますが確実に純正品なので品質はいいと思います。

画面やバッテリーはさすがに使いまわしできませんが、表に出ないケーブル類なら使えます。

まあ、そういう部品を交換すること自体少ないのであまり使うこともないですが。

 

最後の再生品ですがこれは曲者です。これは画面の部品の話です。

画面の部品は主には液晶、ガラス、プラスチックの枠でできています。

画面が壊れるときに、表のガラスだけ割れて液晶は割れていないということがありますが、そういう部品の液晶だけを取り外して新しいガラス、枠とくっつけて新しい部品に再生したものです。

液晶は中古で表面は新品という感じです。

 

液晶が中古なのはそこだけ見れば品質的にはいいと思いますが、問題は液晶とガラス、枠をくっつける強度です。

純正品も簡単にいうと接着剤でくっつけてあるだけなので落としたりすると枠がはがれてきてガラスが浮いた状態になることはありますが、再生品はその強度が微妙なものが多くはがれやすいです。

 

ただ、安いんです。再生品は。

 

当店でも、再生品を使ったことがありましたが、今は使っていません。

値段が安くても強度の面で不安なので。

 

これも、再生する工場によりけりで品質も変わってくる部分もあるのでいいところもあるとは思いますが、ちょっとトラウマです。再生品は。


最後に

修理代金には当然ですが部品代金が含まれています。

部品の良し悪し(≒仕入れ値の高い安い)が修理代金にも反映されます。

  • 部品が安い=修理代金が安い
  • 部品が高い=修理代金が高い

ということになりやすいです。

 

非正規修理店も沢山あります。値段設定も様々です。

これは、どこを重要視するかという問題なので値段が高いから安いからといって、どっちがいい悪いという問題ではありません。


お店が「とにかく安く提供したい」と思うか「少しでも品質を上げたい」と思うかの違いです。(またはその中間もありますね。)

当然、お客様も「とにかく安く直したい」と思う方と「少しでも品質がいい方がいい」という方がいらっしゃるので、前者は前者に後者は後者にとってベストな店舗だと思います。


当店はどちらかというと「少しでも品質を上げたい」派です。


もしiPhoneが壊れてしまったら、上記のようなことを頭の片隅に置いて修理店を探してみてはいかがでしょうか?


追記:自分で修理する?

安い部品を探して自分でやれば工賃もかからないしいいかなと思われるかもしれませんが、

いくら安くすませたいといってもこれはお勧めできません。

 

作業自体が難しいということもありますが、これは練習すればある程度できるようになります。(でも普段から練習している人はなかなかいませんよね。多分。)

ぶっつけ本番ではちょっと難しいかもしれませんが、そういうのが得意な方はいけるかもしれません。


ちなみに、当店での新人スタッフ研修ではそのスタッフの習熟度にもよりますが、少なくとも約1カ月はひたすら練習用のiPhoneを分解して組み立ててという反復練習をしてもらいます。それでようやくお客様のiPhoneを触るのですが、それでも最初はベテランのスタッフが付きっきりです。

それぐらい練習していれば、そこそこできるようになると思います。

 

でも、お勧めしない理由はそれではありません。質の良い部品の調達が難しいのです。

 

AmazonなんかでもiPhoneの部品を買うことはできますが、質がいい部品は世の中の修理業者がほとんど買っています。個人レベルで入手できる部品であまりいいものが手に入るとは思えません。

 

Amazonのレビューを見ると結構悲惨ですよ。

本当は部品の問題じゃなくて技術の問題のものもあるとは思いますけどね。


当店でも以前に試しに買ってみたことがあります。

iPhone5sのバッテリーでしたが、新品と書いてあるにもかかわらず充電サイクルが164回でした。

164回充電したのに新品って…

さらに容量が1560mAhと書いてあるのに1420mAhしかありませんでした。


と、そんなことになる可能性もあります。

中にはいいものも出ているとは思いますが、それを探すのはなかなか骨が折れる作業だと思いますよ。

 

ということで多少お金がかかったとしても修理店に依頼されることをおすすめします。